さわだなおきのちょっといい話
続ゾクッとする篇すべて実話です。
あまり心霊現象とか信じへんのやけど、なっとくできない不思議な体験が
いくつもあるんよ。その一部をまたお話しするね。。。
りんかん学習
小学生のとき、泊りがけのりんかん学習の旅行があった。
よくあることだが、夜中に見回りに来る先生たちの目を盗んで
「怖い話大会」になった。
同室の男子児童たちが、各自ひとつひとつ怖い話をしていった。
「朝礼台の下に初代校長の親指が埋められている」とか、今思うと
何で親指やねん、と怖くも何ともない話でも、当時はゾクゾクした。
オレの番が来た。みんなを怖がらせようと、ちょっと作り話をしてみた。
「さっきから窓の外に生首が、切れた首から血をポタポタ垂らしながら
飛んでるねん、入って来たらどうしよう、、、」
まだまだバカな小学生だったのでみんなは、うそ話を信じて大騒ぎに
なった。
あまり騒ぐので先生がやってきて早く寝ろと怒られた。
みんな、小さな声で「怖いなー、怖いなー」言い合いながらいつの間にか眠った。
「オレの勝ち。」と、ちょっと思った(笑)。
次の朝、目を覚ますと、窓から、オレの布団の上までに、ポタポタと垂れたような
血の塊があった。
ほんとに来てた。
りんかん学習のきもだめし
その次の日、きもだめし大会があった。2〜3人ずつにわかれて、夜中の山道を
歩いていき、その途中、途中で、先生たちが隠れていて生徒たちを脅かすという
ものだった。
通り道の順路には、明かりをつけた懐中電灯が置いてあったので、道は
はっきり見えたが、夜の山道は結構、気持ち悪かった。
途中で何度か先生がお化けの格好をして飛び出してきたりしてびっくりした。
突然、一緒に歩いていたFくんが、ガケの下から上ってこようとする手首が
見えてすぐ隠れた、と言った。それも先生の仕業だろうと思った。
勇気を振り絞って、ガケの下をのぞいて見た。
壊れたバイクが転落していた。
怖くなって、早くゴールしようと、歩いていった。
ゴール近くに来て、後に何かがいるような気配がして振り向くと、数メートル
後方に、天狗の面を被った先生が、懐中電灯を顔の下から照らしながら立っていた。
めちゃくちゃびっくりして足がガクガクになった。
次の朝、一番怖かったのはどれ?と、担任の先生がみんなに聞いた。
そして、どこどこにいてこんなお化け格好をしてたのは誰々先生でした、
というネタばらしがあった。
天狗の面を被った先生なんていなかった。
夢の中
必ず毎日、夢を見る。カラーの夢で、食事もちゃんと匂いや味がする。
頭をぶつけると痛いと感じることもある。
そしてときどき、夢の中で「これは夢」と気付くことがよくある。
そんなときは、そのまま夢の中の街を探索したりする。
そこには、いつもどおりの夢の中の町並みがある。
その町のレコード屋で、ずっと探していたレコードが見つかると、
現実の世界でも本当にそのレコードが見つかったりする。
正夢のような不思議な夢である。
ときには、これは夢だと気付いたら、空を飛んでみたりもする。
実際には見たことがないグランドキャニオンの上空を飛んでみたりする。
けっこう楽しい。
怖い夢を見ている途中で、夢だと気付くことが多い。
そんなときは、それまでとうってかわって、スケバン刑事の全盛期には、
スケバンヨーヨーでやっつけたりと、現実ではありえない必殺技を繰り出して
みたりする。面倒なときは、わざと一回、目を覚まして別の夢を楽しんで
みたりもする。
そんなある日、いつものように怖い夢の途中で、夢だと気付いた。
「エルム街の悪夢」のフレディのようなヤツに殺されそうになって、
追われている夢だった。フレディと違うところは、服装は汚い茶色のコート
だったことと、爪は鉄で作った物ではなく、本物なところだった。
いつものように必殺技をやってみても効かない。かなりの強敵のようだ。
これは、空を飛んで逃げるしかない、と思い空に向って飛び上がると、
足を掴まれて、引きずりおろされた。
自分の夢の中で自由にならないことは今までなかったので、かなり怖かった。
長い爪のついた手で首を絞められる。
苦しい。
夢だとわかってるので、最後の手段で目を覚ましたが、まだ首は絞められ
続けて、本気で息が出来なくなるほど苦しい。
やっとのことで見えない手を振りほどいたが、しばらくは感触が消えなかった。
交通事故
出張先でのこと。眠ろうと思い、布団で横になってウトウトしていると、
耳元のそばで「交通事故。」と言う声がした。
その瞬間、外からドーン!と音がした。
アパートの目の前の交差点で、トラックとバイクが衝突したらしい。
幸い、死人はでなかったようだった。
次の日、大阪の自宅に帰ると、マンションの前にチョークで人の形が
書いてあった。表にいた大家さんに何があったのかと訊ねると、ついさっき
交通事故があったらしい。
職場の先輩
10年以上前に出張先でのこと。よく職場の先輩Uさんが、飲みに行くぞ!と
部屋に誘いに来た。行くまで部屋に上がりこんで待っていたりする。
ある夜のこと、寝ていると先輩Uさんと職場の人たちが一緒に7人くらいで
飲みに行こうと誘いに来た。
夜中だったので断って、寝ようとすると、「行こう、行こう。」と指で
つっついてくる。
「眠いんで、今日は勘弁してくださいよ」と布団を頭まで被っていても、ずっと
「ほら行くぞ、行くぞ」「行こう、行こう。」とみんなで体中をつっついてくる。
もうあきらめて起きようとして、被っていた布団をめくってみんなを見ると、
そこには、昨日先に引き上げたはずの上司のMさんがいた。
「あれMさん、昨日帰ったんじゃなかったですか?」
その言葉を言い終わらないうちに、煙のようにみんなの姿が消えた。
真っ暗でシーンと静まり返った部屋の中で、夏なのに寒気がした。
寝ぼけて変な夢みたなぁ、、、そう思いながら、横向きに寝て布団を被ると
「夢ちゃうで」という声がして、下から手が出てきて胸元を掴まれた。
怖くてその日は電気をつけたままにして朝まで起きていた。
彼らはいったい、どこへ「行こう」と誘いに来たのか、、、、。
難波の地下街
15年ほど前、終電間際の改札口に向かい、難波の地下街を急いでいた。
深夜だったこと、平日だったこととで人は誰もいない。
ふと右の階段脇に小さな黒いビニールのごみ袋が視界の片隅に2つ見えた。
なぜか気になりごみ袋に顔を向けると、
「アホ〜!」と声がした。
ごみ袋にアホって言われた。